昨年10月、平成12年~令和2年までの701句を収録した第一句集『心の窓』を上梓された鶴田静枝様にお話をお聞きしました。
Q『心の窓』をまとめようと思った経緯
いつか自身の句集を作れたらいいなと、ぼんやり思っていたような気がします。
だんだんに詠んだ俳句がたまってきたあたりで、一冊の本にしておきたいと思うようになりました。
はじめに、朱夏俳句会主宰の酒井弘司先生に句集上梓の承諾をいただき嬉しい限りでした。原稿をまとめる作業に取り掛かったのは、それから数か月後の新型コロナウイルス感染拡大第一波の始まりの頃でした。沈みがちになった自身を句集作りで活気付けたい。そして、たいへんおこがましいのですが、朱夏俳句会、あしたば俳句会に少しでも活気を与えられたら、との新たな思いも湧いてきました。
Q原稿をまとめる際にこだわった点
今までに詠んだ俳句をできるだけ正確に時系列順にし、ルビをふらなかった点です。一ページ5句にした点もそうですね。
また、表紙はソフトカバーでデザインはなるべくシンプルにし、題字のルビはローマ字にしました。表紙、帯の色は希望をお伝えし、喜怒哀楽書房さまに提案いただいた中から選びました。とても気に入っています。
Q俳句が本という形になっていく際の心境
出来上がるまで、ずっと嬉しすぎてわくわくドキドキしていました。一番感慨深かったのは、2回目の校正で初めて本の形にしていただいた時です。未完成な句集でしたがたいへんいとおしかったです。夢が現実になる瞬間だったような気がします。
Q『心の窓』への反響
有難いことに、多くの方から感想をいただき、中には俳句をされていない20代男性からも。たいへん嬉しかったので、実際のお言葉をご紹介します。
・とてもみずみずしい句。
・装丁もシンプルでハードカバーでない所も気に入った。酒井先生の詩の句を守っている句だと思う。
・独自の感性で対象に迫り、平明な表現で詩心を吐露した作品が多く深い感動を覚えた。素材も多彩。
・句が素晴らしくいつもの句会の印象と違う。
・きれいな句集。豊かな感性に溢れた作品。斬新な言葉、透明感、ユーモアもあり、引き込まれて一気に読まされてしまう程。新進の頃の俵万智さんの短歌のような清々しさが感じられた。
・全編読んでくると、『心の窓』というタイトルがピッタリと感じた。行動力あり、感性あり、そしてユーモア、余裕もあり私には眩しすぎるほどの女性だ。
Q「こころの窓」をまとめてみての感想
「あ~できたんだな~」と感無量でした。
本になり改めて全編を読んでみて、この句集は、俳句の「日記」だと感じました。どの句も思い出深すぎて捨てることができず、701句を収録しているからかもしれません。
また、驚くことがありました。
今年2月4日、毎日新聞「季語刻々」 坪内稔典様の欄に、句集『心の窓』の中から春の句4句を掲載していただきました。
バスの窓春の光のあたる席 他3句
自身の句でないような、不思議な感覚になりました。
Q最近は
新型コロナウイルスの世になる前は、スポーツジム・旅・音楽ライブ鑑賞等々行っていましたが、現在は日々家事を中心に行っており、合間にちょっと俳句を詠み、昼寝となります。コロナが収まったら旅もしたい、音楽ライブへも行きたいです。
Q自選五句
早天の老鶯の声祈りとも〈毎年聞けます〉
さくら待ってこの人に見せたいから
夏至の空しあわせ祈る丸い地球
浄土まで反橋(そりばし)平橋(ひらばし)冬の空〈称名寺吟行〉
雲一つない空に着く夏帽子〈鎌倉吟行〉
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