令和新緑吟行会
たにし会(山形県・小国町)
宙の会(東京都・国分寺)
5月30~31日、山形県の南端、豪雪地として名高い小国町の「たにし会」と東京・国分寺の「宙の会」のメンバー合同による「令和新緑吟行会」に同行しました。これは「宙の会」のメンバーのお一人が、故郷の「たにし会」にも所属していることから、この新緑の美しい時期に合同で吟行会をしよう! ということで開催されたもの。
東京から新幹線で来新した「宙」ご一行5名を新潟駅で出迎え、木戸の車で一路秘境小国町へ。待ち合わせた駐車場で「たにし会」メンバー13名と合流。旅館のバスに乗り換えて、合計18名で横川ダム、基督教独立学園高等学校、樽口峠などを巡ります。これ以上は望めない好天のなか、道すがら谷空木、藤、桐の花と初夏の花々が出迎えてくれ、基督教独立学園の方々も歓待くださいました。
5月のやわらかで、でもしっかりとした光の中、木々を吹き抜ける風とともに聞くパイプオルガンの音色。その賛美歌のメロディーに合わせて、たにし会の方がきれいな声で歌います。心が洗われるような余韻を抱き、本日のお宿、国民宿舎梅花皮荘へ。
さーて、ここでざぶーんとひとっ風呂浴びられればいいのでしょうが、ここからが頭の悩ませどころ。今日見たり聞いたりしたことを、吟行句として出句しなければならないのです。それもタイムリミットの時間までに!! 皆さん真剣です。
でも、それが終わればその後は、お楽しみタイム! たくさんの山菜料理と渡部会長の美しい踊りとカラオケ。瞬く間に夜は更け、翌日の句会へ。
◎高得点句より
9点 谷空木沈みし村の供花と咲く とんぼ
6点 若葉風ダム湖に宙の広がりて 織女
5点 オルガンを弾く手の優し桐の花 陽子
5点 鉄線花言訳訊かぬ妻となり 昌晴
5点 万緑にパイプオルガン響く村 敏子
4点 読みづらき父の句帳や紙魚走る 京子
4点 初つばめ逢わせたき人連れて来る 勝子
4点 聖五月オルガニストは聖和子 肇
4点 蝶のごと土間に入りくる日傘かな 金太郎
たにし会の皆さまの心を尽くしたおもてなしと、小国の自然の豊かさ、美しさに感激した2日間。名残りを惜しみながら、小国を後にしたのでした。
★その後、次回はぜひ東京で句会を! ということで9月か10月に、小国のメンバーが上京し「敬老親和句会」の計画も着々と練られているとか。俳句は人生を豊かにする、俳縁万歳‼を目の当たりにした感です。(木戸敦子)