新発田(しばた)かりん会 創設 島津エミ様 代表 泉 弘子様 (新潟県・新発田市)

新発田(しばた)かりん会
創設 島津エミ様
代表 泉 弘子様
(新潟県・新発田市)
 
 
新潟県の越後平野の北部に位置する新発田市。4月1日(土)、
新発田駅前の複合施設「イクネスしばた」で行われた
「かりん」(主宰 馬場あき子)の支部 新発田かりん会の歌会にお邪魔しました。
 
最初に本日の司会進行長谷川さんより
「心のエネルギーこそ短歌の源泉、今年度も切磋琢磨して詠んでいきたい」
とご挨拶。事前に配布した詠草(短歌を詠んで紙に書いたもの)を手に、
各々が一首ずつ感想、意見などをつまびらかに述べていきます。
 

▲代表の泉 弘子さん。元先生とあってお話が明快でユーモアたっぷり

 
 
小田実の『玉砕』を読む 七十年生きて瓦全の我をかなしめ      長谷川

 
 
 

▲本日の司会進行、長谷川稔さん(現支部長)。笑顔いっぱいのムードメーカ

 
 
さやかなる列車の音のとどく夜だれか発つらむ遠き銀河へ      泉

 
長病みの妻の歩みに合わせつつ花店廻る彼岸間近を     大沼

 
 

▲一昨年入会したばかりという大沼さん(左)と下村さん

 
 

 
そこはかとたゆたい初めぬ暖かさこころ弾みて種買いに行く     島津

 
終活の覚悟きめたりピラカンサ雪の重みで倒れ伏すなり       下村

 
夜もすがらボールの中でプチ呼吸アサリたちは朝の出番待ちおり        湯浅

 
桜貝のやうな花びら並べてみるいちご太らせかそかにほへり     佐藤

 
案ずるは非常識かと思い来しを現実となる鰙釣り事故         田辺

※和歌や俳句の前書きとして、その作品の動機・主題・成立事情などを記したもの
 
ピポーピポーがわが家の近くで鳴り止みぬ止みたるままに静もれる真夜         小熊

 
ユキノシタ雪につぶれてぺしやんこで春のはじめの光合成だ     原

 

▲「もう少し近くに寄ってください」の言葉にスクラムを組む皆さま。前列右から2人目が会を創設した島津エミさん

 
★同じような感想を述べると、代表の泉さんから「違う意見を言ってください」とすかさず教育的指導が入る。「皆さん、結構遠慮なく言いたいことを言うのだなぁ」という感想を持っていただけに、かりん主宰の馬場さんが常々仰っているという「個性を出し、人と違うところを詠む」という、その教えが浸透していることがわかる。「自分では気づかないところを教えてもらうからありがたい」と会の方も仰っていたが、率直に胸襟を開いた分だけ学びも深まる、ということをこの歌会から教えていただいた。(木戸敦子)