残す、意義

 
全国的にあたたかで、うららかな春の日の月曜日。
今週末からのゴールデンウィークを前に、心弾むものの、仕事が追い付かない!!
という方も多くいらっしゃると思います。
 

▲レッドロビンの生垣

 
土曜日に届いた、長年にわたってお手伝いしている同人誌の原稿は「追悼号」でした。
この平成という時代に感謝するとともに、その間に亡くなられた方々の遺徳を偲ぶというもの。
 
どの作品も、逝去された方々の最後の作品で、いわば絶筆ともいえるもの。
あぁ、なんといい仕事をするのだろう、とそのタイムリーかつ意義ある仕事に、
快哉を叫びたい気持ちになりました。
 
残すことで、そしてそれを形にすることで、その方の生きた証を残し、思い出し、
偲ぶことができる。思い出すことで、再び、その方はこの世に復活する。
 
これは、新潟市出身で新潟日報の俳句欄の選者でもある中原道夫氏の海外詠だけを集めた句集
『彷徨』(ふらんす堂)。『彷徨』はUROTSUKUと読み、コデックス装という糸で綴った背中が
そのまま見えるという洒落た意匠を凝らしたもの。
 

 
平成元年に最初の句集を出し、最後の平成31年に第13句集を出す。
その着実かつ弛まぬ歩みにも感嘆するとともに、新しい令和の時代にも
また何か新しいことをされるのだろうという期待も湧くというもの。
 
もうカウントダウンも始まり、今日を入れてあと9日で平成も幕を閉じる。
自分はいったい何をして、何を残してきたんだろう…と思うと、
暗たんたる、消え入りたい気持ちになってしまう。がしかし、今さら仕方ない。
 
これからだ、これから。まずは一日一日を着実に積み重ねること。
きっとそこに、そのあとに道はできる。そう信じよう!
 
菫ほど小さき人に生まれたし 夏目漱石

▲今日燃えるゴミを出しに行った際に

 
きどあつこ