本を作るうえで、とても大切なポイントがあります。
それは、本文でも表紙でもそうなのですが、紙の「目なり」です。
「目なり」? と思うかもしれません。
紙は、紙を抄く機械(抄紙機)でパルプを一定方向に流しながら製造するため、
進行方向に「紙の流れ目」ができます。それが「目なり」と言われるもの。
この「目なり」が本などの加工をする際にとても重要になってきます。
「目なり」違いの紙を発注したり、「目なり」違いの紙に印刷したり、
最悪はそれに気づかぬままに製本されたり…結果、刷り直し!
と、何度憂き目を見たことか(´;ω;`)ウゥゥ。
普段、何気なく手にしている本ですが、たまーに目なり違いの本が世に存在していますので、
本を開く時は、ちょっと気にしてみてくださいね。目なり違いの本は開きづらく、
はねっかえりがとても強いです。そして壊れやすい。
手にしたあなたは、大当たり! ラッキーな方です(笑)。
そしてここからは、ちょっとマニアック情報。
当社の本文用紙でよく使用する書籍用紙は「淡クリームキンマリ」
お見積りには「淡クリームキンマリ四六判90㎏Y目」と記載されていますが、
この「Y目」こそ、目なりの表示なのです。
「Y目」は横目のことで、紙の短辺に沿って平行方向に繊維が流れている紙を
横目(Y目・ヨコ目)、
「T目」は縦目のことで、紙の長辺に沿って平行方向に繊維が流れている紙を
縦目(T目・タテ目)といいます。
▲目なりの方向に紙を割くときれいに切れますが、逆の目なりではガタガタになります
今度、飲み会の時の小ネタとして、ぜひご披露ください。
…といっても、飲み会自体がないですね(´;ω;`)ウゥゥ
昨日はD51に遭遇。そして撮り鉄さんたちの熱さにビビったひとときでもありました。
きどあつこ