大学の入学式から一週間。
陽が消えたように、華やかさのなくなったわが家…
ああ…さみしい…などと思ったのも束の間。
入学式のあった日曜のあの夜。
シャワー状の雪降る関越道を寂しく帰る父、母
食欲もなく夜何も食べなかった私を尻目に、
翌朝、
ヤツは東京タワーの夜景の写真を送ってきた。
はぁ? 入学式から一回部屋に帰り、
着替えてまた出て行ったんかい。おい!
月曜からはガイダンスが続いているはずなのに、
その合間をぬって
いろんなところに出没しているらしく、
やれ
上野の桜だ
上野動物園のシマウマだ
巣鴨の桜だ
そして昨日は井の頭公園の桜だ
と写真を送ってくる。
いつから花追い人、吟遊詩人になったんだよ
大学のノリについていけない…と凹んでいたのはどこのどいつだ。
一日だけかい
まぁ～お江戸を堪能するわするわ。
下手な外国人観光客以上だ
これに浅草が入ったら、下町結構完璧やろ!
出かけるときは、早起きして洗濯はしているようで、
「じゃじゃーん」と
洗濯物を干してる写真が
アンパンマンのタオルが見える。大学生だ。幼稚すぎる
引っ越しの際にはピンク色のウ○コが先についた
指示棒が荷物に入っていた
まったくもって意味不明だ。まだ、フロイトのいうところの
口唇期だ。
そして、いつも最寄りの駅にはなんとヤツの敬愛する
亀様こと亀梨和也が待っている。
「いつもこの前から電車乗ってるんだよー」と。
こっちこそ「どうして? 」だよ、まったく。
まぁ、好きにしてくれ。
さみしいより、ハラハラが先にたつ卯月です
きどあつこ
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