壁に耳あり…

 
障子に目あり!   の言葉どおり、紙に目があることをご存知ですか?
そう、こんな感じに…。
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あ、これは彌生さん、昨年、新潟市の「坂口安吾賞」を受賞した
草間彌生さんの作品でした。
 
これ、これ、こんな感じ…?
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あっ、これは私の稚拙な絵でした…。失礼!
 
そう、紙には「目なり」といって紙の繊維、流れている目の方向があるのです。
 
抄造(紙の原料をすいて紙を製造すること)した結果、
縦に流れている用紙と、横に流れている用紙の2種類ができあがるというわけです。
 
繊維が用紙の長辺に対して平行に流れている用紙をT目(たて目)といい、
反対に短辺に対して平行に流れている用紙をY目(よこ目)といいます。
紙を手で裂いてみて、きれいに裂ける方向に目は流れている、ということです!
 
印刷、製本などで書籍に携わっている方はおわかりかと思いますが、
これ、目なり違いの紙を本にすると、大変なことになります。
 
が、少なからず、たまに逆目の本を手にすることがあるのです!
そんなときは、ふふ、素人め…とほくそ笑み、優越感に浸る瞬間でもあります(笑)。
 
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▲これは、書籍用紙でお世話になっている
「北越紀州製紙(株)」工場の煙突
 
本の綴じ部分と平行に紙の目が流れていない用紙で、つまり逆の目の用紙(逆目)
を使って本にすると、ページを開きにくくなり、仕上がりも波を打って決して美しくできません。
 
しなやかに、ページを繰るどころか、本を開く際にはバッサバッサという感じで、
抵抗を感じるとともに、本も壊れやすくなります。
 
目なり、これが違う紙を発注したり、違う紙で印刷を終え、製本に前に気づいて刷り直し、
製本後に気づいて刷り直し…何度このようなミスを重ねてきたことでしょう…嗚呼…。
 
それもこれも、「抱きしめたい本」をめざすからこそ!
そんな本がまかり通ることは許されません!!
 
今日も、真摯に粛々とお仕事をいたしましょう!
 
昨日、見かけた珍しいもの2点。。
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世の中知らないことばかり!
知る楽しさがある限り、今週もふぁいてぃーん\(^o^)/
 
きどあつこ