長文につき、お時間がある時にお読み捨てください。
すみません、でも書かせてください。書かずにはいられない!!
ついにやってきたこの日、10月11日(日)!
ハーフが申し込み即日数時間で定員一杯になったあおりを受け、
空いているのがフルマラソンのみ、という中での初フルエントリー。
完走はできなくとも、あまり恥ずかしい結果は残せなかろうということで、
8月、9月は89㎞、167㎞と休日のあいている日はほぼ全部、
平日の夜も週1~2回は走ってきた。
当日は5時に起き、お餅や朝食を食べ支度をしているうちに雨が降り出してくる。
持ち物は小さいウエストポーチに顆粒のアミノバイタル3本とiPhone。
雨やスポンジの水から守るため、チャック付のビニールに入れてある。
仏壇に今日の無事を祈りお茶と線香をあげ、いざ出陣。
自転車にまたがると、カラカラと…。なんとチェーンが外れている…。
まずい。Dスタートなりにも(A~Dの順にスタート位置が違う)、
少しでも前に位置しようと、メタボ同級生と待ち合わせたのは6時半。
これでは間に合わない。えーい、と軽く雨の中をジョギングしながら市役所前へ。
いたいた。1㎞何分ペースで行けばあとの距離とペースはどれくらいで…とか何とか、
説明を受け、距離と時間と、関門の閉鎖間が書かれたお手製の表を親切にくれる。
おまけに雨対策の手作りゴミ袋ポンチョまで。
おー、いい人、ありがたや! 「もう、今後はデブ汗とか言わないね」と嘘を言いつつ、
競技場に近づいていく。と、その時
「あれ? 自転車の鍵のチェーンをどこかに落としてきた。先、行ってて! 」と
今度はメタボ同級生(以下、略してメタ)に、これまた自転車トラブルが発生。
何やってん! と先に行くが、チェーンを見つけて戻ってきたのでDゾーンスタートの先頭に並ぶ。
さっさっさむい。約1時間弱、この状態で待ちつつ、緊張と寒さのためかトイレに行きたくなる。
もう移動するというその最後、ギリギリに行ったため、行列から戻ると既に集団は移動し始め、
メタが「間に合わないかと思ったわー」と焦っている。
市長と高橋尚子ちゃんの声に送られて、8時、フルスタートの号砲!!
うっわぁ~! やっぱりたくさんいて壮観! 白山神社過ぎた辺りで、
「やっべぇ、俺もう足いてーー」と大笑いしている若者がいて、笑わせる。
走っている人、沿道の人、いろいろ見れてうきうきしてくる。
いつもの練習の通り、ずっと、メタとしゃべりながら走る。
おっと、川沿いでカメラを持った同居人を発見。
がしかし、カメラを調整していて、全くこっちに気づいていない。
「ほら、ここ、こっち」と言うが、時すでに遅し。
あえなく通過、写真0枚。「ったくもう、使えない」と言いつつ、
自転車で場所を移動したのか、今度は第一高校を過ぎた、橋の前でまた発見。
がしかし、またまた気づいておらず、「ほら、ここだって!!」と声をかけると、
「あぁ…」と言いつつ、また写真間に合わず。
さっきから一緒に走っいる周りの人も、2度の失態に失笑。
水やスポーツドリンクや、スポンジを取りながら、海に出て青山海岸方面へ。
後は延々と、海の道が続くのみ。
途中、メタが「ちょっと行ってくるわ」と、砂山の方へ消えていく。
その前から、沿道のトイレや林に駆け込む人もいたがー。
「追いつけないかと思った」と言いながら戻って来たので、
「海風にさらしてきたん?」といいながら「たんたんたーぬきーの♪」と口ずさみ、何だか気分はハイだ。
オーディエンスが応援してくれるから、とっても楽しいし「がんばってー」に対し
「はい」とか「ありがとうございます!」と応える。
「皆さまの声援が、後押ししてくれました!」と完走後のインタビューコメントを口にして、笑いあう。
▲いつもの定位置で写真を撮ってくれる元職場の上司の1枚
15㎞あたりでアミノバイタルの1本目を口に入れ、給水所での水で流し込む。
1㎞6分半ペースだから、かなり貯金があるとのことで、ますますうれしい。
後半、いかに落とさないかがカギだ。
それにしても、いけどもいけども、折り返しは見えてこない。
新川漁港を過ぎ、20㎞を過ぎ折り返しが見え、エイド初体験、固形物の恩恵に預かれる! と喜々として近づくと、
あるのは塩とバナナとオレンジで、トマトとサラブホープは既になくなっている
沿道の人は少なくなるし、延々と続く海ばかり。
ひよこの着ぐるみを来た人や、ルフィの恰好をした人、エイドのバナナを両手に持って走る人、
おもしろい人がいると気が紛れて助かる。
25㎞までは、メタと話しながら行くも、昨年のリベンジでメタには絶対に完走してもらわないと!
私よりも余裕がありそうなので「頼むから先行って!」と、ここからは風雪一人旅ならぬ海風一人旅。
さて…と、昨日曲を150曲くらい入れたイヤホンを取り出す。
マイケルや山下達郎やスピッツのノリノリの曲が流れる。
昔の曲ばかりじゃなく、最近の曲も入れたはずなのに…と思いつつ、
走ってるし操作もわからず、そのままにしていたら、結局その3曲と松田聖子の「抱いて…」の
4曲だけが判で押したように、ぐるぐると流れる。どうしたことなんだ!
他の146曲はどこへいったんだ。おまけに「抱いて…」なんてスローモー極まりない!
25㎞からは、まさに1㎞1㎞、一歩一歩の積み重ねの世界。
おっとぉ、今日まだまともな働きをしていない、途中、散髪を終えたであろう同居人が、
復活して自転車でうろうろしている。
「おーい、ここここ」「がんばって!」「がんばっとるわい!」てな感じで、写真を撮ってもらう。
27~30㎞くらいはいただろうか。
足がつってのばしている人、歩いている人、概して男の人ばかりだ。
決して止まらないぞ、歩かないぞ、と、歩き組をえっちらおっちらと追い越していく。
「自分の人生、止められなければ自ら決して止まるな」的なスローガンを胸に走っていると、
亡くなった母の「あっちゃんがんばって」とか、応援してくれるいろんな人の顔が浮かんで、
ペースが上がったりすることもあるから、不思議だ。
第一目標の30㎞を通過、あとは何としてでも、いつもの練習フィールド、新潟島に帰りたい。
4曲を聞きながら、無事帰島し目標の35㎞を過ぎると、あと1時間くらい走れば完走できる! と
かなり光が見えてくる。
みなとトンネルの8関門通過時点で「閉鎖まであと3分!」の掛け声。
おっ、その貯金があれば行けるかも!!!と、最後のドリンクを飲み、練習で何度も通った道を走り続ける。
が、まてよ。やばいな。100万円。そう、いつもの練習メンバーには、
「もし、時間内に完走したら100万円あげるから」と豪語していたのだ。
えっ、一人100万円? 50万円ずつ? などと思いながら、みなとぴあが見え、よし、最後のやすらぎ堤だ!
と思ったところで、四つん這いになっている人、うなだれている人、係りの拡声器おじさんと言い合っている人が
視界に入ってきて、ことの次第を知った。「関門閉鎖です」。時計を見ると12時33分。
メタにもらった関門時間の表を見ると、確かに12時32分と。
3分の貯金があったはずなのに、ああ、でもダメだったんだ…とがっかりしていると、
なぜか言い争ったあと、関門を突破して走り続ける人も数十人。
えっ、いったい何があったの? と思いつつ、もう気持ちがそこで切れた。
「どうしたんだろうね?」と、若い19歳の大学生という男の子に声をかけ競技場へ歩き始める。
「関門突破した人かどうかわからないから、走ったら走れてゴールできたなかなぁ」
「どうなんでしょうね」と言いながら、横を回収バスが通っていく。
「せっかく参加費払ってるからバスに…」という私に、若いその大学生は
「そうですよ、せっかくだから、最後42.195㎞を完走しましょうよ!」
「えっ…!? ああ、そうだよね」と歩いていると、土砂降りの雨が降ってくる。
ここで初めて、メタがくれたゴミ袋ポンチョを装着。
完走できなかったうえに、土砂降りとは、ひどい仕打ちだ…。
でも100万円はセーフだ、などと複雑怪奇な気持ちを抱えつつ、メタから電話が入る。
「サトウの餅の行列に並んでおいてやるから!」 とのことで、競技場に着くと、
ちょうど餅をゲットしたメタが餅を渡してくれるが、その際、手に持っていたiPhoneがポロリ…。
がっしゃーん、ぎゃーーー。はい、液晶がダメになりました…
そして、後日、メタのiPodもスポンジの水がかかったらしくお陀仏になったことが判明。
なんだかなー、と、それでもここまでがんばれたことがうれしくて、夕方横になっていると、
やはり最後の関門の距離が、どうしても間違っているのではないか! という疑惑が拭いきれなくて、
高校で陸上部の監督をしている兄にメールで、あそこ絶対おかしいよ、と訴えた。
ぬぉぉぉぉ。つまり、あの距離からすると本来の設定時間は12時35分。
つまり、計測が間違っていなければ、通過できたのだ。
こんなことがあるのか、まさかその当事者になろうとは…。
転んでもタダでは起きない、有料で起きる、ということで
しっかり7000円の返還を請求させていただきました
でも、やっぱり完走したかったな。
100万円は払わずに済んだし、これは、来年、今年はハーフに出た相棒と一緒に50歳で完走せよ!
という、神の采配に違いない、ということで、
波乱の幕開けから、最後の事件まで、この長い騒動記をお読みくださり、ありがとうございました。
当日のボロ雑巾から、レーヨンに、そして今は高級シルクに…はなれないけど、
やっぱり走るのは楽しい。それは確実なこと。今週もいけいけ、ふぁいてぃーん\(^o^)/
きどあつこ