昨日は父の日でしたね。
ついに渡すことができました。
17年前、母が亡くなったとき、アルバムから必要な写真をピックアップしたが、
それらのアルバムは実家の部屋にそのままになっていた。
父は存命だが、それらをどうするという気力もなければ、
自分のアルバムも昔から押し入れに入ったまま。
隣の家のおばあちゃんが亡くなった際、息子夫婦は「これが一番困るよね」と
写真のアルバム類を前に呟いていた。ほんとうにそうだろうなーと思った。
想えば今年の春先のこと。以前、スタッフSが受講した生前整理の講座で言っていたという
「まずは写真のベストショット100枚を選び、その中からいいものを絞っていく」
という手法を聞き、ひとまず実家からアルバム類を全部持ってきた。
▲こんな段ボールが6個くらいあった
父の顔を知っていたスタッフKに、各年代がばらけるように100枚選んでもらい、
それをスタッフYがスキャンし制作した。
選んでもらった写真をコンタクトシートとして出力してもらう。
見たこともない写真も多々あったり、へぇ~こんな写真選んでくれてありがとう!
というものもあった。
とある4月の土曜日、父と郊外のカフェへ。「これさぁ」とカバンから取り出すと、
自分の昔の写真を目にとめた瞬間、「おっ」という反応を示した。
そして、食い入るように見つめる。
「これ何歳くらい?」 と訊くと「これは予科の時だろ」など考えながら答えてくれる。
ただ、難しい質問をすると「わからねて」と。
あれから2か月。そんなことがあったとは、全く覚えていないだろう。
昨日のことも覚束ないのだ。
「父の日だからさぁ、これ」と手渡すと、驚いた様子で座るのも忘れてじっと見ている。
そして「何~よりだて」と一言。表紙の一枚一枚も丁寧に見るため、なかなか進まない。
とにかく喜んでもらったことは間違いない。
さて、これらの困った、でも確実にニーズのあるこのことを、どう私たちがお手伝いできるのか。
これはゴールではなくスタートです。
最後、帰る際に「今日はあんたと一緒にいられたから、いい父の日だったて」と。
個人の問題は社会の問題。何をどうしたら、価値を生み出せるのか。
でも、種をまかなければ芽も出ない。芽が出なければ、花は咲かない。
ない頭をひねって、今週もゴー!!
きどあつこ