高田 一葉 様(新潟市・西区)

 
 
昨夏、第四詩集『青空の軌跡』を上梓した高田一葉さんにお話をうかがいました。無題
 
第四詩集『青空の軌跡』出版の経緯は?
軌跡――自分がどんな道を歩いてきたか、これまで書いた詩を並べてみたかった。〝青空〟ということをはじめて意識したのが第三詩集。寄稿くださった八木忠栄さんが〝青空の詩人〟と評したのがきっかけです。青空を軸としてこれまでの36年間の作品をまとめてみることにしました。
 
本という形になってみて、いかがでしたか?
一区切りつけてもいい、と思うようになりました。〝青空〟はお手本のように美しい、立派な存在。そういったすごく立派なものと自分を照らし合わせ、少しでも成長しようとずっとあがいてきました。しかし完璧なものと照らし合わせるかぎり、自分を認めることはできない…。詩集が完成し三か月ほど経って第四詩集を見たとき、「もう、いいんじゃない?」という気持ちが生まれました。これ以上同じところに同じものを積み上げることをやめよう、一歩ちがうところに行ってもいい、と思ったのです。このような気持ちになることを目指して出版したのではないのですが、形になって時間が経ち、そう思えました。今回の詩集を、見方を変えるきっかけにしたいと考えています。
 
本を出すまでに苦労したことは?
苦労は全くなかった、全部楽しかったです。これまでの出版は、印刷会社の方の指示待ちでした。本づくりの過程のおおよそはこれまでの出版で分かっていましたので、第四詩集ではその一つひとつを自分も関わってつくりたいという思いがあり、そういうことができる人を探してまわりました。大倉宏さん(美術評論家)に相談にのっていただいたのをスタートに多くの紹介をたどって、菅さんに出会いました。この第四詩集は、つながったもので出来ていったものだと感じています。カバーオブジェの平野照子さんとの出会いもそうですし、想いをもっている人は〝呼ぶ〟のだな、何か通じていくのだなと…。「求めれば開ける」を実感しました。中に入った言葉はもちろんですが、本はこうやってつくらせていただいてみると、それ自体が作品だと実感しています。
 
これからは?
個人詩誌「葉群」をペースを上げて発行したい。自由な発表の場をもとめて1985年にスタートした詩誌で、人に伝える手段は活字だけではないはずという思いから「文字と書」「文字と色」など文字と何かを組み合わせて様々な試みをしてきました。現在33号を迎え、60~70部を発行、郵送や手渡しで作品を届けています。
これから詩の方向としては、自分に〝定規〟を当てずに、自分を出すこと、表現することができるようになりたいなと思います。
 
私にやっと
その時が来て
仕掛けられた思い出が
息を吹く
 
思い出を
ほくっ
と食べて
 
さぁもう少し
がんばれるかぁ
 
(第四詩集「青空の軌跡」焼き芋 より一部抜粋)
 
装丁はこちらからご覧いただけます。
http://157.7.223.56/wp/sakuhin-misc/sakuhin-misc-1238/