過日、お手伝いさせていただいた句集は『夜光貝』。
タイトルは著者の大好きな、高岡漆器の螺鈿から発想したという。
装丁は紙にこだわり、レインボー箔、空押しと、出色の意欲作。
第一線でバリバリ働いている女性だけあって、俳句の師からは
「あなたにした詠めない句を」「実社会のビジネスの前線で
出会ったことを詩にすること」と、指導いただいているとのこと。
どの句もリアルで、清々しく、時に慈愛に満ちている。
好きな句は、山ほどあれど、10句を以下に。
プレゼンの本番来たり麻を着る
弱虫の男ばかりや団扇置く
柿の葉ずし解けば出張完了す
だんまりも交渉の術凍返る
桝酒を一気に干すも初仕事
その汗も一礼も早や営業マン
残業の部員の咳を聞き分けぬ
風邪声も武器に商談押し通す
日脚伸ぶパソコン閉ぢてよいものか
仕事好き気取り勤労感謝の日
▲タイトルはレインボー箔
句集への思い入れもひとしおで、一事が万事、著者の仕事への
取組み方もわかろうというもの。
取組み方もわかろうというもの。
「天は自ら助くる者を助く」の言葉の意味がわかる気がしました。
著者と、当社のデザイン・組版・ディレクション担当のスタッフで
こんな素敵な句集を一緒に作り上げられた こと、
本当にうれしいことでした!
きどあつこ